社員自身に意思決定させるという鉄則
では、効果的な教育を行うための、具体的な方法へと進みます。十一個目のカギとして、相手への理解というものを学びました。しかし、相手に答えがない、あるいは根本的にやりたくない、ということがあります。そのような場合は、真相を掘り下げて答えを無理やり引き出そうとしても何も進みません。
社員の自発性を引き出すための原則は、社員のやりたいことをまず決めさせるということです。再び業績が上がらない営業担当者を想定してください。成果を出していない営業担当者にまずどのように接するべきか、この点が非常に重要なのです。
望ましいのは、そもそも「業績を上げたいのか、上げたくないのか」という点を確認することで、自ら意思決定を促すことです。業績を上げたいということであれば、「そのために自分はどのような役割を果たしたいのか」ということを確認します。ここで何人かの経営者の方からは異論がでるでしょう。「そうはいったって、いくら本人がやりたいといっても、別のことを会社としてやってもらわないといけないんだから」というものです。
考えなければいけないのは、以下の2点です。第一に、経営者として社員のキャリアプランやライフプランにしっかりと関心を持ち、個人の夢を実現させる機会を与えているか、ということです。今までいくつもの扉を開いて来た人は、会社サイドから一方的に職務を押し付けることが、社員の能力を発揮させる上で大きなマイナス要因になることは理解されていると思います。となると、第二のポイントが障害になっている可能性があります。すなわち、仕事に対して本人の実力が十分に伴っていない、という本人の成長レベルの問題です。
あなたの目の前にいる営業担当者は、業績を上げたいという意思を自覚しています。また、自分の役割も認識しています。しかし、能力が不足している。ここで、はじめて目標を達成するための自分自身が抱えているハードルを明確にさせます。ハードルを認識すれば、それを克服する努力が必要であること、そして、そのような努力が自分の夢に近づくために大切なプロセスであることを自覚します。
