相手に要求する前に、まず自分ができることを提案する
誰しも恋愛を経験したことがあるでしょう。相手から最初に好意を抱いてもらう鉄則、それは、こちらがまず相手のことを好きになることです。恋愛では、そのあとに引いたり押したりという駆け引きを楽しむ人も多いようですが、社内の人間関係でそのようなゲームは必要ありません。自分がまず相手に関心をよせることが、相手の関心を得る秘訣なのです。
ビジネスの世界に戻りましょう。相手への関心を積極的に示すとはどういうことでしょうか。ここに一人の印刷営業担当者がいるとします。「制作部門が作成した印刷物に誤字が多いので、客の前で恥をかいてしょうがない。なんとかしてほしい」とあなたのもとへ相談にやってきました。あなたなら、どのようなアドバイスを与えるでしょうか。

「さっそく制作部門のメンバーを集めて、予防策を検討させよう・・・」これではダメなのです。まず相談に来た営業担当者に対して積極的な関心をよせる必要があります。「具体的にはどのような点に遺憾なのか」「どのような時期に同様の問題は発生するのか」という真相を掘り下げていく必要があります。そうすると、いつも同様のミスが減らないとも言っています。では、「ミスが減るような提案をしたか?」ということが重要になってきます。
ここから、部下である営業担当者自身が、制作部門のことを十分理解しようとしていないという問題に焦点を当てます。ミスが減るような提案をしていないのは、誤字が発生する背景を営業担当者が知ろうとしていないからです。そこで、「なぜミスをするかということを理解したかい?」という問いの堀下げを行うのです。そうすると、他の営業担当者の制作物は比較的誤字が少ないことが判明するかもしれません。この営業担当者だけに誤字が多かったのは、制作依頼にあたって自分自身がいつも急に、そして汚い字の原稿で依頼していたということがわかりました。
まずは自分自身の業務を改善することが、結果として制作物の品質を高めることにつながるのです。その上で、やはり発生する誤字については、制作部門としても独自の予防策が必要になります。しかし、これはあくまでも相互理解が進んだ後の話なのです。