社長は社員のランドマークたれ
人は皆、目的意識をもっていると考えてはいけません。少なくとも人を動かす立場にある人は、人間は流されるものであって、もともと明確な目標や目的をもっているものではない、と考える必要があります。逆に言えば、目標を明確に定めることができれば、満足のいく人生を獲得する機会は大幅に増加します。目的意識のある行動は、経験を学びへと変える力があるためです。そこで、社員に明確な目標を設定させる、という経営者の役割が問われるのです。
では、会社において社員が明確な目標をもてない理由は何でしょうか。経営者がビジョンを十分に語っていない、そして社員自身が自分のライフプランを明確にもっていないという両方の理由があります。第三の扉で触れたように、ビジョンは可視化し、経営者自身の行動で示し続けるということをしなければ浸透しません。仕事における使命感というのは時間をかけて繰り返し発信し続けなければ、社員の中で育つものではないのです。
また、経営者が社員と面談したときに、ライフプランが明確でなければ、自分自身に魅力がないと考えなければなりません。経営者が苦労に音を上げず、いつも生き生きとしていたら、必ず社員は「あのようになりたい」と考えるものです。例え目指している職種が異なっていても、何か人間としての学びを得ているはずなのです。それがなくて、社員が伸びないということであれば、原因は社長に魅力がないということなのです。
自分自身を振り返ってみて、社員に火をつけるほどの使命感がないと考えるのであれば、もう一度、第一の扉から出発する必要があるでしょう。あなたは、社員を動かすだけの使命を自分の中に育てていないのです。

ビジョンを浸透させる上でも、ライフプランの中で生きる指針を示す上でも、経営者というのがいかに重要な立場であるかをご理解いただけると思います。繰り返しますが、「うちの社員は・・・」と愚痴をこぼすような経営を行っているのであれば、即刻経営を辞めるべきなのです。