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2006年06月29日

本物のビジョン・理念を追求する

自社がどのような会社になりたいのか、という点についてもう少し掘り下げましょう。自社は社会の中で何を要求されていて、何を提供することでお客様は喜ぶのか、ということを経営者は毎晩汗水流して考え抜かなければいけません。しかし残念なことに、自社のあるべき姿を考え抜く前に、飲みに出かける経営者も少なくありません。取引先や社員、家族とならまだしも、毎晩遊びに出かけるなど話にもなりません。昼間は取引先との商談や社員との打ち合わせ、発生してきた課題への対応などで非常に忙しい一日を過ごしていることでしょう。そこで、夜にしっかりと時間をとって、自社をどうしたいのか、競合の脅威にさらされることのない経営とはどのようなものかについて徹底的に考える必要があります。

自社のアイデンティティーの柱になるものは、ビジョンや理念です。理念とは、会社の存在理由や目的といった企業としての基本的価値観のこと。また、ビジョンとは、それをどのような指針で表現するのかということです。

2006年06月27日

一度の角度差が100m先に1.7mの身長差を生む

大手企業や鉄工所などで、脚光を浴びる企業には特徴があります。そのような企業では、どのような階層の社員にインタビューを行っても口をそろえて自社の特徴や主張を語ることができるということです。
3年・5年・10年先を見据えて、どのような会社になりたいかを真剣に考えます。次に、自社の特徴をよく考えます。その中から、他社とのちょっとした違いに焦点をあてるのです。そうして見つけた違いを表現計画に落とし込み、一貫した主張を展開します。
一貫した主張を継続的、統合的、かつ徹底的に行うことで、自社の「小さな特徴」は、大きな競争優位性となります。坂道を想像して下さい。スタート地点では、少しの勾配差に気がつきませんが、1度の角度の差であっても10mで少し差が見えはじめ、100mも進むと1.7mという身長分の高低差を生み出します。企業の強みというものもこのような過程を経て「圧倒的な」6割バッターに育つのです。
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2006年06月25日

6割バッターの競争戦略

競合と比べて勝っていれば、絶対に売れます。何について勝ればいいのでしょうか。一般的に経営の4要素として挙げられる人・モノ・金・情報の組み合わせがこれにあたりますが、「やや」勝っているだけではどうにもなりません。「圧倒的な」優位性、野球に例えるならば、6割を打つことのできる4番バッターが必要なのです。

ではどのように4番バッターを手に入れるのでしょうか。特に中小企業を経営されている人にとってみれば、「うちに4番なんていないよ。巨人みたいにお金があれば別だけど・・・」と考えられるようです。ここに誤解があります。4番バッターは突然生まれるものではなく、しっかりとした信念に基づいて育て上げるものなのです。

ある住宅メーカーのコンサルティングを行った際のことですが、この会社も差別性を打ち出せずに悩んでいました。「価格競争力があるわけではない。かといってデザイン性に優れているわけでもない」ということでした。しかし、よくよくヒアリングしていくと、「施工は非常に丁寧にやっている」ということが分かってきました。さらに質問を掘り下げると、「施工現場を実際にお客様が見比べればその品質の違いがきっとわかる。でもそんなものを見るお客様はほとんどいない。」という認識でした。4番バッターの種があるのに、社員の中でその特徴を差別化の要素として、自覚できていなかったのです。

2006年06月23日

なぜあなたは競合の脅威にさらされるのか

第二の扉 「なぜあなたは競合の脅威にさらされるのか」・・・市場には必ず競合が存在する。競合はさまざまな形で存在するが、なぜ競合はあなたにとって脅威であり続けるのだろうか。


二つ目の扉が開かない理由
「自社の存在価値を考えていないこと」


独占的な地位を保証されている業界や企業でないかぎり、競合他社との競争は避けては通れません。では、競争相手とは誰を指すのでしょうか。ポーターは5つの競争要因として、業者間の敵対関係に加えて、買い手の交渉力、売り手の交渉力、新規参入業者の脅威、代替製品・サービスの脅威を挙げています。企業経営と競争戦略は永遠に切り離せないものなのです。
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ではそのような環境下で、具体的にどうすればいいのでしょうか。第二の扉はこの点をテーマとしています。

2006年06月21日

一つ目のカギ

自分自身の使命感に立ち返って、会社としての明確な到達点を設定する。また、真摯な姿勢で自社の立脚点を知る。このような行動によって、今まで漠然と抱いていた心配ごとや悩みが、取り組むべき課題や行動計画に変換されていくことになります。経営に携わる中で直面する終わりのない不安感、この扉を開けるカギは、ビジョンと現状を明確にすることで悩みを課題へと落とし込むことです。どれも経営者がなかなか克服できない障害です。だから今日も多くの経営者が得体の知れない不安感にエネルギーを消耗しているのです。一つ目のカギを手に、勇気をもって第一の扉を開けて下さい。

key.gif一つ目のカギ

ゆるぎないビジョンを持ち、会社の現状を真剣に把握する。
つまり、定期的に自社を診断すること。経営の扉を開くカギはそこにあります。

使命感を明確に認識し、現状を正しく把握したあなたの目の前には、競合が存在しているはずです。
さあ、第二の扉です。

2006年06月19日

現状を正しく把握するための「真摯な姿勢」

このように客観評価の重要性を訴えていても、多くの経営者は「自分自身が一番会社のことを良く知っている」と考えてしまいます。全くもって大きな誤りです。映画のワンフレーズではないですが、「事件は現場で起きている」ということは疑う余地のない事実であって、重要なことはそのような事実をいかに曲解することなく吸い上げられるかということになります。

はっきりいってしまえば、経営者が一番自分の会社のことを知らない立場に置かれているのです。そこで経営者の役割は、自分自身の全人格をもって真摯に他者の声に耳を傾けることになるのです。お客様の声は当然のことながら、取引先についても定期的に先方の経営幹部の方々と懇談会を開くなどの機会を設定し、定期的かつ真剣に相手のメッセージを受け止めなければいけません。あなたの手元に正しい情報が届くようにするためには、何を行うべきかを熟考して下さい。
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2006年06月17日

現状を正しく把握するための「5つの視点」

さて、現在の会社の状況がその目標に対してどのような状態にあるのか。現状を正しく把握することは、自社の使命感を確立することと同様に大変重要なことです。しかしながら、なぜか戦略を客観的な手法論に頼り、現状分析になると独りよがりの判断を下す人が多いのです。これは全く逆なのです。

会社が良い状態にあるかを判断するために、重要なポイントがあります。それは、自社の立脚点を「5つの視点」から明確にできているかということです。多くの経営者が、実は自社がどのような状態にあるのか、ということすらまともに把握できていないのです。

・経営数値の分析
・お客様のCS調査
・競合調査
・社員(または、社員の家族)からの自社評価
・取引先からの評価
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これらの視点について現段階で大切なことは、多面的な視点で自社の立脚点を把握することが重要だと認識することです。

2006年06月15日

経営戦略~「手法」と「使命感」

結論から申し上げると、究極的には経営戦略は経営者の「使命感」や「目標に対する執着心」だといえます。たとえ手法論を持ち合わせていなくても、強烈な使命感があればものごとは進みます。極端な例をあげれば、自社は理念を固め、手法についてはすべて他社から買ってくるということもできるのです。

すでに世の中に定着しているフランチャイズというしくみは、外からノウハウを買い入れることで、自社が掲げる理念を実現させていくことを可能にしています。また、そのような形で株式公開を果たす、俗に「メガ・フランチャイジー」「マルチ・フランチャイジー」と呼ばれる企業も多数でてきているのです。

逆に、熱い思いを持たない企業が、手法論だけをとりいれても長期的に成功することは非常に困難です。あなたは会社をどうしたいのか、ということを本気で考え抜いて下さい。
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2006年06月14日

戦略の成否は経営者の思いの深さに比例する

そのような場合には、「会社をこうしたい、こうあるべきだ」という使命感に裏打ちされたビジョンや到達点を明確にする、ということが何よりも優先されるべきです。目標が定まれば、「目標に対して今年はどういう状況なのか」という現状分析が冷静に行えます。目標と現状がはっきりとするということは、そのギャップを克服するための行動計画がおのずと導かれるということです。

ではビジョンや戦略をどのように捉えるのでしょうか。従来は、経営戦略がビジネスモデルに近いものとして解釈されてきました。すなわち、「売り方」「仕入れ方」「作り方」など、「○○のやり方」と言いかえられる手法論を集大成したものを、戦略だと認識してきたのです。そして、いずれかの手法が新しければ、それがニュー・ビジネスだと言われてきました。

しかし、第一の扉を開くためには、そのような認識を一旦捨てる覚悟がいります。

2006年06月13日

本気で考えたことがあるだろうか、「それはなぜか?」

第一の扉 「なぜあなたは会社経営で悩むのか」・・・日々悩みはある。しかし、本気で考えたことがあるだろうか、「それはなぜか?」と。


一つ目の扉が開かない理由
「何に悩んでいるのかわからずに悩んでいる」
「自分が会社のことを一番知っていると思い込んでいる」


「これからどのような経営をしていけばいいだろうか、どのような改革に着手すればより良い会社になるのだろうか」と、経営者であるあなたは日々悩み続けていることでしょう。多くの経営者が「会社経営に悩んでいる」と言います。そういったときに、「なぜか?」と聞くと決まって返ってくる答えがあります。「昨年対比で売上が下がった」「利益がこのところ落ち込んでいる」「優秀な人材が会社を辞めてしまった」など、確かに重要な事柄です。しかし、経営の舵取りを行う立場にあることを考えると、はなはだ表面的な事象を取り上げてしまっています。

もしかしたら、今年売上が下がったとしても、利益率の改善を行い、翌年に収益を立て直すための手立てを打っているのかもしれません。あるいは、利益が落ち込んでいても、戦略商品を生み出すための研究開発に先行投資しているということもあります。そうであれば、先ほど挙げた表面的な事象についての解釈は180度異なったものになるはずです。つまりは、目の前で起きていることが、長期的な展望に照らし合わせたときにどのような意味合いを持つのか、そういうことを考えていないのです。だから暗中模索する中で、経営者は日々「悩んでしまう」のです。

2006年06月08日

本書を読まれるにあたって

これから開いていく21の扉は、経営においてごく当たり前のことが書かれています。

「なんだ、当たり前だよこんなこと」と思われた方は、是非、自分の周りの人(お客様、社員、取引先)に自分が経営者として何点か、点数をつけてもらってください。きっと、扉の続きを読まれることと思います。

扉は決して簡単に開いてはくれませんが、一つの扉ごとにじっくり自分の現状と照らし合わせながら、カギを一つずつ手に入れて頂けることを心から願っております。

目次

第一の扉「なぜあなたは会社経営で悩むのか」
戦略の成否は経営者の思いの深さに比例する
現状を正しく把握するための「5つの視点」と「真摯な姿勢」
第二の扉「なぜあなたは競合の脅威にさらされるのか」
6割バッターの競争戦略
本物のビジョン・理念を追求する
第三の扉「なぜあなたは会社の良さは伝わらないのか」
「こうありたい」という純粋な気持ちに立ち返る
ミッションステートメントに落とし込む
第四の扉「なぜあなたの会社の良さは、お客様に理解されないのか」
強みの芽を育てる
第五の扉「なぜあなたの会社は、お客様に喜んでもらえないのか」
顧客を理解するために
第六の扉「なぜあなたの会社では売れないのか」
緻密なセールス設計
セールス設計に失敗しないための鉄則
第七の扉「なぜあなたの会社は実行できないのか」
ジャグリングの原理によって悪い習慣を断ち切る
第八の扉「なぜあなたの会社の社員は元気がないのか」
社長は社員のランドマークたれ
キャリアプラン、ライフプランを明確にする
第九の扉「なぜあなたの会社の社員は、自社を誇ることができないのか」
社員を理解し、相互の不安感を払拭する
第十の扉「なぜあなたの会社の社員は、負の行動をとりはじめたのか」
適切な評価によって人は会社に定着する
褒めるのではなく感謝する
第十一の扉「なぜあなたの会社の社員は、一致協力しないのか」
相手に要求する前に、まず自分ができることを提案する
第十二の扉「なぜあなたの会社の社員は成長しないのか」
社員自身に意思決定させるという鉄則
第十三の扉「なぜ教育をしても、あなたは成果を手に入れられないのか」
第十四の扉「なぜ同じ問題に繰り返し直面するのか」
PDCAの根幹は緻密な業務設計
第十五の扉「なぜいつも時間は足りないのか」
忙しいと言っている人は、実は忙しくない
第十六の扉なぜ手に入れる方法を知っても、手にしていないのか」
あなたはなぜ経営をしているのですか?
第十七の扉「それでもなぜ、あなたの会社は変われないのか」
自己変革の起爆剤「8つのトリガー」
第十八の扉「なぜあなたはいつまでも満足できないのか」
与えることの安心「WIN-WINの論理」
第十九の扉「なぜ会社の業績が良いのに、対人関係に安心できないのか」
影響のスクエアーで自立的な人間関係を築く
第二十の扉「なぜ強固な人間関係なのに、後継者が育たないのか」
任せることで人は育つ
ヤングボードマネジメント
第二十一の扉「なぜあなたは成功しても安心できずに悩み続けるのか」
自我ではなく、自己による真の経営を行う

経営革新「21の扉」ブログ公開にあたって

仕事の選択

本書は当初、企業経営者向けに出版されたものです。
個人が自己実現しうるステージとして素晴らしい企業が世の中に一つでも多く生まれることを願って書いたもので、コンサルティング現場における、およそ20,000時間におよぶケーススタディーから見出した経営課題とその解決手法を21編にまとめた指南書です。

その内容は、経営者のみならず、今後新たなキャリアアップやキャリアチェンジを望まれている求職者の皆様にとっても、有益なヒントが含まれているものと思います。

適職選択の質を高める近道は、ビジネスの流れについての学習を深め、自分と会社との関わりを理解することです。なぜあなたの仕事が必要とされているのか、どのような目的で企業は存在しているのか、企業はどこに向かうのか、ということが、あなたが働くことの意味につながっていくためです。

あなたが働く環境を生みだす源となるマネジメントの鉄則を理解し、企業を見極める目を鍛えて下さい。そして自分が心から納得し、しかもそれが企業にとっても確かな貢献へとつながる、Win-Winのキャリアを模索する手がかりとなれば幸いです。

具体的な行動を起こすことが、企業改善の第一歩となる

21の扉を一つ開くたびに、あなたは新たな発見をしているはずです。重要なことは、その小さな気づきを実行に移すことです。本書の内容を一度に全て理解する必要はありません。自分が最も関心のある扉を開き、真剣にそのテーマについて思考する。そうすることで得た学びを現実の世界で必ず試すことです。

本書を手に取られた一人でも多くの人が、科学的な経営の「実践者」として、自社理念の構築、あるいは収益向上に21の扉を活かすことができれば幸いです。

2006年06月07日

学習なきところに発展なし

本書では、世の中で提唱されているマネジメント手法の基本的な考え方をまとめています。しかし本書は、単なる理論の羅列ではありません。あくまでも経営という科学を、日々の経営活動で「実行」するためのきっかけを提供するものです。背景には、実際にコンサルティングという形で業績向上のお手伝いをさせて頂いた300社近い経営者の方々、また、CI(コーポレート・アイデンティティー)構築や販売促進策の立案、それに関わる経営計画の策定、あるいは人材育成といった幅広い分野でお付き合いさせて頂いている、1000人以上におよぶ経営者の方々の生の声があります。

とかく世の中には提供者本位の情報が溢れすぎています。論理立てて情報を提供すれば、それを消化するのは読者の問題である、そのようにさえ感じられます。しかしながら、現場で常に生の意思決定を迫られている経営者にとって、書籍一冊分を完全に体系立てて理解し、それを実行に移せといっても、非常に時間がかかってしまい、現実的ではありません。必要とされているのは、今この瞬間から企業を少しでもよくするための手立てを実行に移すことができる指南書です。

2006年06月06日

会社経営をされているあなたに

世の中で「経営者」と呼ばれるおよそすべての人は、多くの課題や悩みに打ち勝ちながら日々の活動に邁進しています。経営とは出口のない迷路、あるいは果てしなく続くマラソンではないか、と感じられているかもしれません。しかし、その道のりの中で、経営者自身が日々学びの姿勢を保ち続け、常に革新の傷みを恐れない、そのような姿勢で真の経営に取り組むことができれば、必ずや多くの成果と喜びを手にすることができます。

経営は科学だといわれます。科学ということは、そこに方程式があります。確かに、成果を上げるためのロジックがありますし、人が動く根底にも論理が存在します。しかしながら、経営とは簡単な計算式で完全に割り切れるほど単純な科学ではありません。この割り切れない壁の前で、あなたはどのような行動をとるでしょうか。割り切れないからといって科学に背を向けていては、周りへ負の影響を生み出していくだけです。

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