金の斧と銀の斧
金の斧と銀の斧、この物語は云わずと知れた「正直者が得をする」という逸話です。それ以上に大切な教訓は「今持っているものを粗末にするとそれさえも失くしてしまう」ということではないかと思います。
キャリアにおいても当然同じことが言えます。
現在の環境に満足がいかないから転職をするというのは、誰もが同じように持っている動機だと思います。しかし、この動機には当然二つの方向があり、とにかく現状に不満を持っていて、そこから一日も早く抜け出したいという動機と、現状には大きな不満があるあけではないが、より自分の
可能性に挑戦したいという動機に分かれます。
そこに大きな差が存在しています。
現状の不満というのは、自分に関係なく降りかかってくることも実際にはあります。例えば派閥的な問題での不遇や会社の経営不振などがそうですね。でも、大方の人は不可抗力が働くのではなく、人間関係や給与待遇などへの不満ではないでしょうか。
もしその不満が自分の努力を棚に上げてのことであれば、これは現在の環境を大切にしていないことになります。自分の斧を湖に捨てているようなものですね。
そうすると湖から出てきた神様は、きっとこう聞くでしょう。「あなたが抱いている不満は、あなたの努力不足からおきていることではないですか」と、その時あなたはどのように答えられるでしょうか?
「はい、私は精一杯努力をしているのですが、どうしても周りから認められません」
「はい、会社が認めようとしません」
「はい、私より仕事の出来ない社員がどんどん評価されるのです」
などと答えられるでしょうか。
そして湖の神は、あなたを素晴らしい転職先へ連れて行ってくれるでしょうか?
寓話をお話ししているのでは決してありません。
まずは現状の環境を大切にし、その上で自分の本当に目指すべき目標に向うための転職でない限り、キャリア開発は行なわれないのは事実です。
是非転職を考える前に、もう一度現在の環境を大切にする方法を幾つか考えてみてください。