大企業病に打ち勝つ
周囲に貢献し、「一緒に働きたい」といわれるビジネスパーソンになる上で、いわゆる大企業病に打ち勝つという視点から所感を述べたいと思います。
大企業病とは、一種の組織的な病として、いわゆる公務員などの官僚制組織の悪い面が現れた際によく用いられる言葉です。当然ながら組織に所属する一人一人がその病に冒されてしまうと、自分自身のキャリアを強化する上での大きな障害となってしまいます。
一般に官僚的な組織の「負」の側面としては以下の3点が挙げられます。
1.訓練された無能力:既に過去のものとなった過去における適切な行動パターンを、状況が変わった現在でも繰り返して自己変革できない。
2.職業的精神異常:同じ仕事を繰り返すことによって、好みや判断基準、行動範囲などに偏りが生じる。
3.目的の転移:規則を守ることが手段であるにもかかわらず、それが自己目的に変化してしまう。
要するに、与えられた職権・仕事の範囲に埋没して、本来的な目的を基準とした行動をとれなくなることが大企業病といえます。このような状況では、当然ながら外部から様々な情報を取り入れたり、気づきを得るということができなくなります。そして、ある一定の年月を経た段階で途端に自己成長がストップしてしまいます。
「市場で通用するキャリア」という言葉自体が本来的なキャリアデザインの考え方からすると非常に偏りのある言葉であるため、あまり使うのは好きではないのですが、このような大企業病によって成長できない人が、社会的に受け入れられる機会を逸するのは容易に想像されます。
ここで、あなたが大企業病に侵されていないか、1つのチェックを行います。
あなたはいつものように自分の日常業務を行っていたとします。そこに見知らぬ外部の企業から連絡があり、「大変有益な情報があるので話を聞いてくれないか。あなたの仕事にとってきっとプラスになると思う。」という話が舞い込んできました。そのとき、あなたの何を考え、行動するでしょうか。
大企業病に侵された社員の典型的なパターンは、「忙しいので結構です」と断ってしまうケースです。普段自分が指示を受ける指揮系統に慣れきってしまうと、外部から飛び込む情報には極端に警戒心が強く、シャットダウンしてしまう傾向があります。有益な情報を仕入れて、より多くの成果を仕事で生み出すために様々な方面から柔軟な努力を行うよりも、決められた人・決められた方法で仕事をすることにしか関心がありません。
次の大企業病のパターンは、「会社としての方針や守秘義務などの観点から、勝手に合うことはできません」と断るケースです。普段接触をもたな業者と話をすることによって、大変なリスクがあるのではないか、あるいは、その業者にいいように話をもっていかれるのではないか、という気持ちが根底にあります。これは、定型的な業務ばかりを行うために、非定形的な業務の展開を予測して処理する能力が低下し、著しく偏った判断をしたり、外部業者への対応方法がわからなくて逃げてしまうという例です。
いかがでしょうか。市役所などでレベルの低いサービスを受けた際に「公務員はこれだから・・・」といいながら、自分自身も本質的に同じような行動パターンをとっているということがないかをチェックしてみて下さい。めんどくさい、わからない、といった理由で普段の自分の仕事を選択するクセがある人は要注意です。
豊かなキャリアを築くためには、有益な情報を周囲の様々なところから吸収する能力が不可欠です。